ggggame’s diary

読書の感想や、アナデンが中心のゲーム雑記。ガバガバな考察もかいたりします。

グリム・ディエムの冒険録 あるいは忘れられた海の底で

たまにやりたくなるフリゲ。やろっかなーとランキングをみたら2018年度版が出ていたので、二番目のやつをプレイ。(一番はホラーなので無理)
いや……もう、すごかったです。
以下細かい感想。ネタバレ配慮無しです
★ストーリー全体
良作。これしかいえません。
叙述、イルブランシュ、死、残される者の思い、冒険、その憧れ。そして最後に、託す。
ぐりむぅぅぅぅああああああ!!!ってなりました。フィルマは生きてほしかった。
★グリム
独特な考え方と飄々とした有り様。第一印象はそれだけで、プラスすると斜に構えたクソガキってところでした。プレイし終えて、ぐぅうぅぅりいいいいむぅぅぅぅ!!!!って叫びたくなるくらいには好きです。イエス重症。
兄と冒険に出たいと願い、出ようとする兄をしばし引き留めた結果、兄は村の規律、規範、思想に殺された。たぶん、止めなかったら兄は冒険をしていたんでしょうね。タイミングが悪かった。
強く誘ったりしないのはこの経験からだとおまけでかかれてましたが……。悪いことを引き起こす行動として自縛しているということなんでしょうか。冒険者として、一歩を踏み出せない弱さとみるべきでしょうか。……ちとキツめの評価ですね。
底の見えない奈落に見る、兄の死。悔恨。プレイヤーとしても辛い……。兄の仕事を引き継いで最初にしたのが兄の埋葬ってのもまた一層辛い。親父死すべし。
そして。
師の残した、冒険の楽しさを忘れず、楽園だけを追うなという教え。ラドン霊峰で死んだ師。
グリムが、フィルマやミナモに自分の冒険を語って聞かせるなか、師であるゼラの死以降のみを語って以前を語らないのは、まだ、グリム自身二人の死をどう整理付ければいいのかわからないからなのでしょうか。
や。……もう本当、グリムは、大事な人の死が、飄々とした態度の奥っかわでものすごく突き刺さってるんだなと。それはトラウマとしても、教えとしても。そう思います。まだまだこどもなのにねえ……。
イルブランシュをあると思いたいのは、グリム自身会いたいって気持ちからなんでしょうね。
そして、「生きて帰る」という言葉には「決して忘れない」って意味も込められてるのかも。イルブランシュにいけば記憶を失ってしまうと、叙述にも書かれている。もし仮に行けたとしても、死んでしまったみんなはグリムをグリムとして認識し、彼の語る冒険録を、自分達の愛したグリムの冒険であると認識し、心踊らせてくれるのでしょうか。……想像するだけで辛いです。
暗い中、目玉の演出はホラーでした。怖くて笑う。ハハハ(´゚ω゚`)
★フィルマ
正直、死ぬ必要はなかったと思う、としかいえません。
叙述に心踊らせなかった彼女は、グリムの冒険には心を踊らせ、そしてグリムと共に世界を冒険する夢を描いた。
叙述、というか、叙述が示す外界というのは、あくまでフィルマにとっては最愛の妹を奪った対象ってことなんでしょうか。その一方、一度すべてをリセットされた上で語られたグリムの話は、ひたすらに夢を見させた。
ラストを考えるとよいことだったのか悪いことだったのか……。
ガロードが記憶を失ったフィルマを見て「美しくない」といったのは、母を一人にしない、他を思いやった清廉な姿と、看守たちを省みず自己の「冒険したい」という我欲にのみ動く姿とを比べた上での発言なんでしょうね。
サイドストーリーで「もう(ずっと一人でいた)あそこ(=第四階層)には戻れない」って言ったのは、グリムとの交流のうえ。ラストでグリムのために死んだのは、グリムが好きだから。冒険への憧れは、彼女のなかではグリム以下ではあったんだろうな……でもだからって死ぬのはない。道はあったと思います……。
★ミナモ
妻と、立場と、規則。あるいは平穏無事な日常に縛られ、最終的には外の世界や冒険への憧れを断ち切った人。
心にも憧れを、冒険に出たいという言葉を出さなかった。出すべきではないという自戒。それでも矛盾していたグリムへの扱いは、はた目から見ればそりゃぁ憧れてるのバレバレですよねぇ……。
グリムが「また会おう」といったってことは、続編で選択するんでしょうかね、冒険を。彼の戦闘モーション好きなので仲間として冒険してくれるのを期待。槍好きです槍。薙刀も好き。
★シェーネ
ラストで、ミナモに「叙述を知った後で私と知り合っても愛してくれた?」と質問するまでは、正直キャラがつかめませんでした。旦那さんのこと本当に好きなんですね。
そして理知的なひとなんでしょうね。シェーネにとってグリムは最愛の夫を惑わす、あるいは引き離すかもしれない恐怖と嫌悪の対象だったのに、それでもグリムを手助けするってことは、自分の嫌悪を自制したうえでの行いですから。
ミナモが、聖殿の扉の前で、ここにのこるといい、問いに答えたのにたいし、彼女は「貴方の気持ちを理解するまでに時間がかかる」。信じようとしてる姿が健気です……。
★アクアスルール
感情的な部分を察するつもりはないですが……。
最後の力を振り絞って、嵐を呼んだ。そしておまけでも、「彼らを感じることができる」という言葉がちらっとあります。まるで、「グリムが特別な存在」とでもいうように。
ゼラの角で作った銃のことだけっていうには、書き方に違和感がありますし……ロワド系というか、王族はなにかを感じる力があるんでしょうかね。
★侵略者
物語の途中、フィルマが「侵略者はどこからきたのか」だったか、「なんなのか」と、その存在にたいして謎を明示しました。叙述にはなかったと返されましたし、編纂されたあとから存在したってことですね。(ついでにいうと、このゲームの世界はあくまで「なにものかが記すことから始まっている」的なことにこそっと触れてました)
また、アクアスルールが「侵略を我慢できない」。抑止できない。と。それは「される」ことを抑えられないのか、「する」ことを抑えられないのか。
牢獄は頑丈で、そのうえで扉には結界まで張る。そしてなにより世界中に侵略者がいるわけですから、今さら自分の中の侵略者を外に逃がす逃がさないとかないでしょうし。
それらを踏まえて考えると「する」ことを我慢できなくなりつつあるってことなんですよね。
じみに面白いのが、王族、すなわち隷属させる力のあるアクアスルールに寄生していること。他の存在にたいして寄生という手段をとらないのに。一定量の知識、知能があるってことですね。ついでにいうと他者を認識、区別する能力もある。
そもそも、名前からして不思議。「侵略」。
アクアスルールをみると寄生というべきです。寄生ともいいましたし。あるいは普通にモンスターとかでも。でも侵略。すなわち侵攻。
メタ的な考えをすると、彼らが「侵略しに来た」存在であることを、されている側であるグリムの世界に存在する誰かは「認識」し、それを広め、かつ化け物を一概に呼称している。
また、侵略者は牢獄の四階層で、死者を食ってました。生死に対して区別はない。
図鑑はまだ見てないですけど、侵略者間での会話能力があるのなら、もう少しなにかが知れそうな気がします。
考察するつもりはないですが。いや十分した気もしますが。まあしないつもりです。再プレイはしますが。だって面白いんだもの……!!
★その他
ライア族、ガロード、アグ族。リャード前管理官、いろいろかたりたいことはありますが、ひとまず、みんな好きです。おじいちゃん好きだったのに寿命で死んじまった……( ;∀;)
★戦闘
そこまでやりこむつもりはないので難易度は普通でプレイ。
キツい敵は防御を軸に据えた長期戦で。
短剣で防御にはいるのを中盤まで知らずにやってたので無駄にグリムが死にました。ごめんよグリム。
★音楽
ミナモ戦がむっっっっちゃ好きです。
ほかはまぁ普通に好きです。

追記考察
【追記:久しぶりの考察なので説明やら何やらに粗が目立ってます。すみません( ;∀;)ざっくり整えながらかきなおし】
「侵略を我慢できない」についての仮説。
①自分の中の侵略者を外に逃がさないため。
だとしたらその侵略者は幹部くらい?かもしれない。侵略者どこにでもうじゃうじゃいるのに今更その一匹だけ閉じ込めようって考えるのは変です。「閉じ込めなければならない理由」がないとおかしい。だとしたら幹部クラスもしくは能力値が高いとみられる。
けどそもそもとして、その存在に対して「侵略を我慢できない」って表現は違和感がある。どっちかというと「逃がしてしまう」、という表現になるはず。
戦闘後の様子を見ると意識が混濁しているのでこれくらいの表現はありえますが、あくまで周囲の状況認識能力の欠如がみられるくらいなんですよね。
追想することもできるし、対話能力もある。愛する娘を守る手段も思考できる。それで表現だけおかしいのはやっぱり、うーん(-_-)゛ってなります。
(というか幹部クラスの侵略者に寄生されているのなら『知恵のあるやつに寄生された』くらい言い残してそうなんですが。どうなんでしょうね)
②"侵略"された自分を外に出さないため。
全体的には矛盾はないかと。牢獄を選び、結界まで張って出入りを禁じた理由にもなりますし。
仮にフィルマが寄生され諦められて剥がれたのだとしたら、ほぼアクアスルールとフィルマの状況がにているのにアクアスルールにだけ寄生したままでいるのも、結界を壊せるという、拘る理由として成り立ちますし。
最も、フィルマのを自分に移しただけってのもありえますが。
そうなってくると、聖殿の最上階にいる流れがよくわからない。封じ込められる場所をはじめから決めていた。って流れはありそうなんですが。

以上、追記考察……というか補足終了です。
あとプラスして。
ガロード含め、そこまでロワド族に対して積極的に寄生してないのをみると、侵略者にたいする謎は多い……。
斥候部隊がちょこちょこきてる、くらいなものなんだろうなとは思います。もしかしたらアクアスルールやフィルマの寄生も、寄生できるのかどうか、その難易度の実験だったのかも。できたらいいなー、くらいなかんじですかね。
合戦でもはじまるときは、その方面での確実な方法を奴等が見いださない限りは安心です。予断を許しませんね。
瞬間移動はまだできないだろうなとは思いはします。普通に居住エリアにいなかったですし。まぁでるたび清掃されてるのかもしれませんが。
グリムの出身地も、さりげなく珍しい場所です。純血のユマだけっていう。
力がないため多種族との交流を絶った、が自然な考えです。でもそういった考えになるような、種族間抗争があったんでしょうかね?
そのわりには普通に婚姻もしてます。ユマの考えは迎合と断絶の二分化されてる。
役目でも負ってるんでしょうかね。しかも察されてもいけないような。だから厳しい宗教的戒律があるのか。まあカンですが。
あるいは、天の御遣いとか。

だいたいこんなものでしょうか。
……続編が楽しみです(≧▽≦)